ドイツから
おとといの夕方、日本からドイツへ戻ってきました。
成田出発後、ソウルに1時間寄って、パリ経由でようやくブレーメンへ。
成田で6時間、パリで7時間待って、計32時間かかりました。
普通は丸1日、24時間あれば飛べる距離なのです。
父の確定申告のために毎年この時期は帰国するのですが、今年はばっちり地震も体験しました。
地震のニュースが世界に広がると、ドイツから次々に「大丈夫か?」と心配のメールが来ました。
中には、
「帰国中に地震なんて、とんだ災難だったね」なんてのがありました。
私はたまたま地震のときに日本にいて、心の底から、良かったと思ってます。
(自分だけ逃れてルンルンしてられるかよ!)
まあ、始めは「心配メール」がほとんどでありがたかったのですが、そのうちに
「原発が事故だ、放射能が漏れてる、東京も危ない、早くなるべく遠いところに逃げろ」とか
「日本は放射能汚染された、早く国外へ逃げろ」
まではご忠告ありがとう(大きなお世話)だったのですが、挙句の果てには
「今ウチのだんなが香港に出張してる。日本からの放射能が飛んできそうでだんなが心配」
なんてのまであって、呆れの絶頂です。
頭にきたので、日本の、というか、千葉の現状を伝えたくて、毎日のように、ドイツに向けてドイツ語のブログを書いてました。
その反応も、
「東北の地震+津波の被害はひどい、だがしかし、原発のほうがもっとひどくなる。
今はいいかもしれないが、後の世まで放射能汚染は消えない。」
というものがほとんど。
結局ドイツでは原発反対騒ぎで盛り上がって、古い原発の運転は停止になりました。おめでとう。
これは、問題の核心がズレーータになってる!
確かに放射能は怖い。
だがしかし、今現在、この瞬間も、東北の被災地では今日1日を生き延びるための戦いを強いられてる。
あの寒い中で!あの何もかもがめちゃくちゃな中で!家族や友人の安否もわからない中で!
今日もまた福島の原発から湯気が出てるとドイツでは大騒ぎです。
放射能を恐れた腰抜けガイジンたちは先を争って日本からトンズラしてるそうです。
たまたま私のお帰りフライトもこのトンズラ・ガイジンと同じ時期で、トンズラ・日本人になりそうだったのが超くやしいです。
そうでなくても、いまだに大き目の余震が続く中、日本を後にするのは断腸の思いでした。
うちのダンナも心配で心配で「何でもいいからかえって来い」という、そのノリが、心配してくれてありがとう、でも、家族と友人を置いて一人でトンズラできるかよ~!でケンカまでしました。
が結局、私のフライトチケットが格安で変更がきかないということで、予定通り帰独となりました。(ちょっとフライトの予定が上記のように変更にはなってたけど)
ドイツではトーちゃん(ダンナ)をはじめ、友人や書道コースの生徒などが皆私の帰りを待っていてくれました。
お隣の奥さんは「あ~~~~無事でよかったわ!!帰れたのね!!」と興奮気味に迎えてくれました。
引っ越したばっかりでまだそれほどお付き合いはないのに。うれしかった!
書道コース生徒の一人、カーステンと昨日電話で話しましたところ、
「僕らは、暖かい家の中で食べるものも飲むものも不足なく平穏に過ごしているけど、被災地の人を思うとこの恵まれた状態が申し訳なくさえ思える」と言ってました。
私も含めて同じ気持ちの人は多いと思います。
千葉での停電も「被災地を思えばこんなことはなんでもない」という声を多く聞きました。
ドイツ在住の日本人も同じ気持ちで日本のためにできることを、と行動し始めてます。
ブレーメンでは、先週は義援金を集めるためのマサ太鼓、今週末はクラシックのコンサートがあります。
私もできることをしていくつもりです。
日本、がんばれ!!